
新卒採用のトレンド7選!新卒採用市場を勝ち抜く秘訣とは
2025.07.25
「最近の学生が何を考えているのか、よく分からない」 「従来通りの採用活動では、思うように応募が集まらなくなった」
新卒採用に携わる経営者や人事担当者の皆様から、このようなお悩みを伺う機会が増えています。めまぐるしく変化する社会情勢のなかで、学生の価値観や就職活動のスタイルも大きく様変わりしており、これまでの「当たり前」が通用しなくなりつつあるのが現状です。
しかし、変化を正しく捉え、自社に合った戦略を立てることで、企業の規模にかかわらず、未来を担う優秀な人材と出会うことは十分に可能です。
本記事では、新卒採用市場で重要となる最新トレンドを7つ厳選し、分かりやすく解説します。
なぜ今、新卒採用のトレンド把握が重要なのか?
最新トレンドの解説に入る前に、なぜ今、その動向を把握することがこれほどまでに重要なのか、その背景からご説明します。結論から言えば、企業の持続的な成長には、変化する採用市場への適応が不可欠だからです。
売り手市場の加速と採用競争の激化
ご存知の通り、日本は少子化による生産年齢人口の減少という大きな課題に直面しています。
この状況は、企業にとって「学生から選ばれる」ための努力が、これまで以上に求められることを意味します。特に、知名度や条件面で大企業に及びにくい中小企業にとっては、他社との違いを明確にし、魅力を効果的に伝えなければ、優秀な人材の獲得は困難になる一方です。
変化する価値観と就職観
現在の就職活動生の多くは、1990年代後半から2010年代序盤に生まれた「Z世代」です。デジタルネイティブである彼らは、従来世代とは異なる価値観や仕事観を持っています。
- タイムパフォーマンス(タイパ)重視:無駄な時間や非効率なことを嫌い、短い時間で多くの情報を得ようとします。長すぎる説明会や、返信の遅い企業は敬遠されがちです。
- オープンな情報とリアルな声を信頼:企業の公式発表だけでなく、SNSや口コミサイトで社員の「本音」を探します。良い面だけでなく、企業の課題なども含めた透明性の高い情報発信が信頼に繋がります。
- 安定志向+成長実感:安定した環境を望む一方で、「この会社で自分は成長できるか?」という視点を強く持っています。具体的なキャリアパスや成長機会の提示が重要になります。
採用手法の多様化
かつては就職情報サイト(ナビサイト)への掲載が採用活動の主流でしたが、現在は学生と企業の接点を持つためのチャネルが非常に多様化しています。SNS、ダイレクトリクルーティング、人材紹介、リファラル採用など、様々な手法が登場し、学生も複数のツールを使い分けて情報収集を行っています。
ナビサイトに登録して「待つ」だけでは、自社が求める人材に出会う機会を逃してしまう可能性が高まっているのです。
【関連記事】新卒採用の手法14選!自社に合う選び方と成功のコツ
新卒採用の主要トレンド7選
それでは、現在の採用市場の背景を踏まえ、企業が押さえておくべき7つの主要トレンドを見ていきましょう。
採用手法の転換: “待ち”から”攻め”の採用へ
学生からの応募を待つだけでなく、企業側から積極的にアプローチする「攻めの採用」が主流になりつつあります。
- ダイレクトリクルーティング
企業が学生のプロフィールを見て「この人に会いたい」と思えば、直接スカウトを送れるサービスです。自社の魅力や想いを直接伝えられるため、潜在層にもアプローチでき、中小企業でも意欲の高い学生と出会える可能性が高まります。 - リファラル採用
社員に友人や知人を紹介してもらう手法です。社風をよく知る社員からの紹介のため、カルチャーマッチ度が高く、定着に繋がりやすいのが大きなメリット。採用コストを大幅に抑えられる点も、中小企業にとって魅力的です。
採用DXの加速:テクノロジーで採用活動を効率化
人手不足に悩む人事担当者の皆様にとって、テクノロジーの活用は強力な味方となります。
- 採用管理システム(ATS)の活用
応募者情報の一元管理、選考進捗の可視化、面接日程の自動調整など、煩雑な採用業務をシステムで一括管理できます。これにより、担当者は学生とのコミュニケーションといった「人にしかできない業務」に集中できます。 - Web面接・動画面接の定着
場所を問わずに選考できるため、遠方に住む優秀な学生にもアプローチの幅が広がります。また、学生が事前に録画した動画で自己PRを行う「動画面接」は、一次選考の効率を大きく高めます。
Z世代に響く採用広報:リアルで等身大の情報を発信
Z世代は、作り込まれた広告よりも、リアルで等身大の情報に価値を感じます。
- SNS(TikTok, Instagram等)の活用
短い動画や写真で、職場の雰囲気、社員インタビュー、一日の仕事の流れなどをカジュアルに発信することで、学生は働くイメージを具体的に持つことができます。高価な機材は不要です。スマートフォン一つで、貴社の「素顔」を見せることが共感を呼びます。 - 情報の透明性の確保
企業の魅力だけでなく、仕事のやりがいや大変な部分、乗り越えた先の成長などを正直に伝える姿勢が、学生からの信頼を獲得します。
候補者体験(Candidate Experience)の重視
候補者体験(CX)とは、学生が企業を認知し、応募してから内定に至るまでの一連の接点で得る体験のことです。この体験の質が、学生の入社意欲を大きく左右します。
- スピーディーで丁寧な連絡
選考結果の連絡が遅い、問い合わせへの返信がない、といった対応は「学生を大切にしない会社」という印象を与えてしまいます。 - 面接を「対話の場」に
学生を一方的に評価するだけでなく、学生の疑問や不安に真摯に耳を傾け、自社の魅力を伝える「対話の場」とすることが、満足度向上に繋がります。
入社後のキャリアを意識した情報提供
「入社しても、希望の仕事ができるか分からない」という、いわゆる「配属ガチャ」への不安は、学生が企業選びで気にするポイントの一つです。
入社後の研修制度、キャリアステップのモデルケース、若手社員がどのような仕事で活躍しているかなどを具体的に示すことで、学生は入社後の自分をイメージし、安心してキャリアを築ける環境だと感じることができます。
ジョブ型採用の広がり
総合職として一括採用する「メンバーシップ型」に対し、職務内容を明確に定義して採用する「ジョブ型」の考え方が注目されています。中小企業においても、「Webマーケティング担当」「製造部門のリーダー候補」など、特定の役割を担う人材を募集することで、専門スキルを持つ学生に響きやすく、入社後のミスマッチを効果的に防ぐことができます。
DEI(多様性・公平性・包括性)への取り組み
DEIとは、性別、国籍、年齢、価値観などの多様なバックグラウンドを持つ人々が、誰もが公平に機会を与えられ、個性を活かして組織に貢献できる状態を指します。多様な人材が活躍できる職場環境は、イノベーションの源泉となるだけでなく、現代の学生にとって「働きがいのある魅力的な企業」と映ります。
中小企業が新卒採用トレンドを取り入れる3つのポイント
ここまで多くのトレンドをご紹介しましたが、全てを一度に実行する必要はありません。大切なのは、自社に合った形で取り入れることです。ここでは中小企業様が実践する上での3つのポイントをお伝えします。
目的の明確化
「流行っているからダイレクトリクルーティングを始めよう」と手段から入るのは危険です。「なぜ導入するのか?」という目的をまず明確にしましょう。「これまで出会えなかった理系の学生にアプローチするため」「内定辞退率を改善するため」など、目的がはっきりすれば、取るべき戦略も自ずと見えてきます。
自社の「魅力」の再定義
給与や福利厚生といった条件面で、大企業と同じ土俵で戦う必要はありません。中小企業には、中小企業ならではの魅力が必ずあります。
- 経営陣との距離が近く、直接意見が言える
- 若いうちから裁量権の大きな仕事を任せてもらえる
- 地域社会に密着し、貢献を実感できる
- ニッチな分野でトップクラスの技術力を持っている
こうした自社ならではの「強み」を改めて見つめ直し、それを求める学生に届けることが成功の鍵です。
スモールスタートを心がける
最初から大きな投資をする必要はありません。まずは無料で始められるInstagramのアカウントを開設して、社内の様子を発信してみる。リファラル採用の簡単なルールを社員に告知してみる。このように、小さく始めてみて、学生の反応を見ながら改善を重ねていくことが、着実な成功への近道です。
トレンドを押さえつつ、成果を出す新卒採用のご相談なら「jinji+」
本記事では新卒採用市場で重要となる7つのトレンドと、中小企業がそれらを取り入れるためのポイントを解説しました。
- 採用市場は「売り手市場」と「Z世代の価値観の変化」を背景に大きく動いている
- 採用手法は「攻めの採用」「採用DX」「リアルな情報発信」などが主流に
- 重要なのは、トレンドを鵜呑みにせず、自社の目的と魅力を再定義し、できることから始めること
変化の激しい時代だからこそ、未来を創る人材の採用は企業の最重要課題です。
しかし、
「自社に合った採用戦略が具体的に分からない」
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