社内コミュニケーションの重要性

店舗内コミュニケーション、社内コミュニケーションとは、もちろん私語や無駄話をすることではありません。あくまでも成果を掴むチームつくりのためのコミュニケーションの一環です。店舗内、社内コミュニケーションが生産性や従業員エンゲージメントに大きな影響をもたらします。
店舗内、社内コミュニケーションが活性化すると、相手への要望や伝えたい内容がしっかりと伝達され、より質の高い仕事が生まれます。
反対に質の高いコミュニケーションが少ない場合には、上司部下の関係や仕事を依頼する側、される側においても双方の認識のズレが多くなりそれによってミスが多くなったり、業務効率化や生産性が下がったりしてしまいます。
よって要約すると店舗内、社内コミュニケーションの量や質が十分に確保することができれば、会社と従業員の間、あるいは働く従業員同士の信頼関係の構築ができ、エンゲージメントを高めることが可能です。そのような信頼関係がしっかりとできている組織において、従業員は会社の理念やビジョンに共感し、そして自分の役割や職責を認識して与えられたミッションを果たそうという意識が芽生えてきます。
そうすることで結果として目標達成や成果を最大化し会社への貢献と繋がってきます。信頼関係の構築のためには、職場におけるコミュニケーションが重要であることはいうまでもありません。店舗内、社内コミュニケーションが上手くいかないとしたら、それはなぜか。その理由を4つにまとめました。あなたの会社はどうでしょう。

 

コミュニケーションがうまくいかない理由

1、会社の理念やビジョンが伝わっていない

会社の理念やビジョンがあるだけで満足している経営層も少なくありません。理念は飾るものではなく、語り続けるものです。従業員に向けて常日頃からメッセージを発信しなくてはなりません。
もし従業員が、経営層が常に発信している会社の理念やビジョンに共感していれば、たとえコミュニケーション量が少ない場合でも、その少ないコミュニケーションの中から自分で役割や求められていることを理解して業務をすすめ、成果の高い仕事をしていくことも可能です。経営層が現場の従業員に経営理念やビジョンをどのくらいの頻度でどのくらいの温度感で発信しているにしても、しっかり伝わっているのか否が重要です。これが少ないと入社時には理念に共感していた人材も理想と現実のギャップにより、どんどん乖離を起こします。

 

2、会社の社会的意義が現場レベルまで伝わっていない

これも1と同じく経営層の中では当たり前と感じている社会的意義も、現場で戦っている従業員にとっては実感する場面はそう多くはありません。ですので、理念同様、経営層は自分たちの会社の社会的意義について語り続け、日々働く社員に向けてメッセージを発信しなくてはなりません。
そして中間管理職と呼ばれる、会社でいうと課長や部長、店舗でいうと店長やスーパーバイザーのようなチームを牽引するマネジメントを担う人は、自分たちの社会的意義と日々の仕事を紐づけてメンバーに話していく必要があります。

 

3、働く仲間のことを知らない

もちろん会社という組織なので、会社のルールや会社の考え方に準じてもらうことは大前提ですが、やはり生まれも育ってきた環境も違う人たちが同じ組織で働くわけですから、それぞれの価値観や考え方や志向性があります。より良質な人間関係と信頼関係を築くために、共に働く仲間のことをよく知らない場合、コミュニケーションをとる際のハードルは高くなり、これもまた意思伝達や相互理解の認識がずれることがあります。
ですので、同じ事業部のメンバーはこんな人で、同じ店舗内で働くこの人はこんな人でこんな仕事を任せられているかなど、相手を全く知らない状態よりも、よく知っている関係の方が良質なコミュニケーションがとりやすくなるのは明らかです。
また、年齢や世代が違うから価値観も違って仕方がないで終わらせるのではなくてまずはお互いを少しでも理解するという視点が少しでもあれば、仕事をスムーズに進める関係性が構築できると考えます。

 

4、承認する文化や社風が無い

コミュニケーションがうまくとれていないチームは、承認する文化が無いというのも特徴の一つです。人は誰しも自分がやってきたこと、やり遂げた成果に対して認めてほしいものです。もちろん褒めたり承認したりするレベルまで至っていないのに無理をして承認するというのは甘えを引き起こすので良くないとは思いますが、せっかく出した成果をしっかりと承認をすることでコミュニケーションを円滑にする特効薬となると思います。
よく料理人の世界では、聞かずに見て覚えろ。仕事は盗め。といった昔ながらの価値観もありますが、良質な社内コミュニケーションを築いていくため、最高のチーム作りをするためには、成果を上げた人間をしっかりと賞賛し、認めてあげる文化を醸成すること。それが第一歩だと感じています。

 

社内の取り組みでの好転例

ここで、社内SNSを導入し、社内コミュニケーションで思わぬ収穫を得た事例を紹介します。運送会社であるA社さんでは、ドライバーの定着と新たな物流ネットワークの拡大につながればと2018年にサンクスギフトを導入し、500人のドライバーが利用することになりました。
年齢層も高い多くのドライバーにとって、スマホは縁遠いものですが、配車係と「積み込み終わりました」「おつかれさま」などの連絡を取り合うことからコミュニケーションが始まりました。やがて、ドライバー同士でも使うようになり、「久しぶり」など連絡し合うようになりました。九州、豊田、関東エリア、京都エリアなど全国に拠点があるのですが、事業エリアごとで区切られていて、ふだんはエリアを超えたつながりはなかなかなかったのです。
そうこうするうちに部署、職位、階層を超えたつながりが生まれていきます。社長も参加しています。従来はなかった、社長と一従業員とのやりとりもありました。昔気質の運送業界では珍しいことであり、ドライバーはやりがいや認められていることを感じるようになっていったのです。
また、この人はコミュニケーション能力が高いなど新たな面が見えてきたり、さらに、職位、階層とは関係なく影響力のある敬意を払われている人物がインフルエンサーとして浮き彫りになったりしたのです。社内SNSという新たなメディアが社内コミュニケーションに新たな風、思わぬ収穫をもたらしたのでした。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?
社内コミュニケーションの重要性、そして事例も踏まえた好転例をご紹介させていただきました。
社内コミュニケーションは生産性の向上、従業員エンゲージメントを高めるために必須です。
この記事が貴社の社内コミュニケーション活性の一助になれば幸いです。