新型コロナウイルスの感染拡大防止のために緊急事態宣言やまん延防止重点措置が発出され、飲食店は時短の制約を受けたり、アルコール類の提供ができないなどと非常に苦しい状況かと思います。
ただ海外では飲食店への制限が緩和され始めており、日本でもワクチンの接種が進めば飲食業界も大きく状況が変わる可能性が高まっています。
今回は、飲食業界の皆様にこれから力を入れていただきたいことについて、外食業界の多くの企業に営業支援を行なっている業界に精通している益子さんと10年以上新卒採用支援を行なっているTake Action社代表の成田にインタビュー形式でお話いただきました。

 

withコロナにおける飲食業界の現状

ー 飲食業界の経営状況について現状がどうなっているか教えてください

益子さん:新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、飲食店では時短営業やアルコールの提供ができなくなった中、伸びている飲食店では、

  • 店内の感染拡大防止のための設備投資
  • テイクアウトメニューの開発(家族メニューの開発など)
  • デリバリーサービスの活用

などに力を入れており、今の環境になんとか適応しようとしている印象です。

そして、飲食業界全体にもようやく明るい兆しが見え始めています。というのが、海外でワクチン接種がある程度の率まで完了したら飲食店への制限が緩和され始めていることです。日本もこれに続くかはまだ不透明ではありますが、徐々に飲食業も伸びていくのではないかなと思います。

 

飲食業界は、今だからこそ「採用」に力を入れるべき

 

ー これから飲食店がやっていくべきことは何でしょうか?

益子さん:今、飲食業界周辺では、「優良物件が好条件で市場に出ている」「コロナ禍でアルバイトさんをはじめとした人員が他の業界に流れている」という2つのことが起きています。当然、今後飲食店の業績が回復することが見込めていて、市場に優良物件が好条件で出ているのであれば、積極的に投資をする飲食店が増えてくると思います。

そして、コロナ禍で多くのスタッフの方が離職した飲食店が多いと思いますので、これから営業再開に向けて「採用」と「教育」により一層力を入れていくことが必要だと思います。

 

成田:弊社で新卒採用の支援をしている串カツ田中ホールディングスさんもちょうど、今後の店舗営業再開に向けて「採用」と「教育」に力を入れるというリリースを出していて、ちょうどこれから力を入れていく企業さんは多そうですね。

該当のリリース:串カツ田中、採用活動を強化し、既存店・新規店舗の人材育成の活性化へ ~店舗営業再開に向けて準備を開始~

 

ー 採用するにしてもどのような人材を採用すれば良いですか?

 益子さん:採用すべき人材のキーワードは「若手人材」、特に「新卒採用」をお勧めします。

afterコロナでは、さらに強い組織づくりをしていく必要があると考えています。店長だけが引っ張っていく組織は限界があり、店長をサポートする人材の存在が非常に重要です。具体的には店長に代わりアルバイトスタッフを育成する人材、そして未来の店長候補となる人材をいかに採用するかが鍵となります。その採用には新卒が最適だと思っています。

 

成田:強い組織を作るためには、「愛社精神の高い人材」はとても重要ですね。

益子さんのお話しの通りにイコール新卒の方ということなのですが、なかなか中途の人材だと会社のビジョンや思いに共感して入るというよりも労働条件などを目的に入社することが多い傾向にある一方、新卒の方が会社のビジョンや今後の未来に期待して入社することが多く、愛社精神が高い人が多いですね。若い愛社精神の高い人材が未来の店長になることや店長を支える人材になることで、積極的に業務に取り組んだり、他のスタッフの見本となることが強い組織を作るための最初の一歩目だと思います。

 

4,5店舗以上展開している飲食店は、絶対に新卒採用をやるべき

 

ー 飲食店は新卒/若手の採用に力を入れるべきとのことですが、どれぐらいの規模の飲食店になったら、取り組み始めるのが良いですか?

成田:よくお客様から相談いただく内容ですね。「店舗が増えてきて人員も増えてきたので、やったほうが良いかなと思いつつまだできていない」「やりたいんだけどやり方が分からない」という飲食店さんはとても多いですね。

 

益子さん:店舗が4,5店舗になってきたら、新卒採用を始めたほうが良いですね。先程の話の通り、店舗数が増えてくるとオーナーがなかなか現場に出られなくなるので、他のスタッフは店長と接する時間が非常に多いです。

そのため、店舗が軌道に乗るためや更なる拡大を目指していくにあたっては、店長や店の社員の人が非常に重要になるので、店舗が最低でも4,5店舗になったら新卒採用を始めることがおすすめです。

 

新卒採用を行うことが店舗拡大の起爆剤に

 

ー 新卒採用を行うことのメリットって他に何がありますか?

成田:新卒採用を行うことによって次の2点は大きなメリットです。

  1. 新卒を受け入れることで、マニュアルや育成の仕組みを整えるようになる
  2. 後輩が毎年入ることによって、成長が促進されたり愛社精神が高まる

来年の4月に新卒が入ってくるとなると、ルールやマニュアルの整備、組織の体制を整えるなどのことを行う必要があるので、様々な仕組みができ上がります。実はこういう整備することが組織を拡大させていくだけでなく、業績を向上させて店舗を拡大していく上で非常に重要だったりするので、まず最初の1年目は来年の4月までにあらゆるものを整備せざるをえない状況にするということも必要かもしれませんね。

 

益子さん:成田さんのお話しに補足すると、実際に以前役員をしていた会社でも新卒採用を行って、新卒1年目後半の成長速度に非常に驚かされましたね。もうすぐすると後輩が入ってきて、自分たちが先輩になるという危機感が成長を促すんだと思います。またその次の年には新しい新卒が入ってくるので、どんどん若手が成長しているのを実感できました。

 

成田:あとは、人員計画を立てやすくなるのも非常に大きなメリットですね。今年、来年には何人入ってくるのかが分かっていると、中期の人員計画を立てられるので、シフト調整がしやすいだけでなく、今後店舗を拡大するにあたって何店舗まで増やして良いのかが判断でき、出店計画/戦略も立てやすくなります。

 

新卒採用が上手くいくための鍵は2つ

 

ー 新卒採用を行う価値やメリットは理解できたのですが、実際に行うにあたって上手くいくためのポイントを教えてください

成田:新卒採用が上手くいくためには「ソフトの魅力を引き出すこと」と「社長がコミットすること」の2つが非常に重要です。

会社の魅力には、ハードの魅力とソフトの魅力の2種類があります。

  • ハードの魅力:労働条件、業態、労働環境
  • ソフトの魅力:社風、やりがい、理念

ハードの魅力はなかなか変えにくいのですが、ソフトの魅力に関しては投資を行ったり、きちんと力を入れることによって変えやすい部分です。弊社が支援しているお客様は、会社の理念を浸透させるために弊社が開発した『THANKS GIFT』を活用して組織づくりにも活かしていただいています。

 

益子さん:このソフトの魅力を明確にするには、既存の社員やスタッフにヒアリングをすることがおすすめです。なぜこの店舗で働いているのかという理由を色々聞いて見ると、オーナーが想定していなかった理由を答えてくれることもあり、それこそがその店舗・会社にしかない魅力だったりします。

 

成田:合わせて経営者の新卒採用へのコミットは、大きく成果に影響する印象です。新卒採用は、中途採用に比べて時間がかかることもあり、途中で熱量が下がってしまう経営者の方もいらっしゃるのですが、学生の方もそれだけ真剣に就職活動をしているということでもあるので、本気で向き合っていただきたいです。ただ、オペレーションを全てやることは不可能だと思いますので、実際のオペレーションは人事担当の方にお任せしたり、弊社の新卒採用支援をご活用いただいて、経営者の方は進捗状況を定期的に確認して、面接に入っていただくなどと関与いただくことが上手くいくためには必要です。

 

新卒採用の準備は「今」から行いましょう

 

ー 新卒採用をこれから行うとなった場合は、どう動けば良いのでしょうか?

成田:2023年卒業の学生さんの場合は、この秋からインターンシップが開催されて来年の3月には説明会が解禁されるなど本格的に動き出すスケジュール感です。最低でも今年中には、

  1. 求める人物像の定義
  2. ペルソナに合わせた出稿先/説明会の設計
  3. 採用フローの設計

の3つは終わらせる必要がありますので、まだまだ余裕はありそうですが実はもうすぐに動き始めないと厳しくなってきます。

 

ー なるほど。再来年4月入社の方の採用であっても意外と時間がないんですね、、

 


(取材後記)

今回は、益子さんと成田さんに飲食業界の現況とこれからの動向、そして飲食業界における新卒採用の必要性についてお伺いしました。

Take Action社では、これまで約10年間、飲食業界の企業様を中心に新卒採用/中途採用の支援を行ってきており、これから新卒採用を始めようか悩んでいる企業様からすぐに動き出したいという企業様まで無料の相談を受け付けておりますので、お気軽に下のフォームからお問い合わせくださいませ。

 

 

 

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